ピック・オッリに初めて出会ったのは、ラップランドだった。
夏の2週間を私は発掘の作業をするためにそこを訪れた。湖の側に建つ大きな木造のコテージの前で彼は火を起こしていた。夕食に出される魚を焼くための準備をしていた。
顎鬚をたくわえた大きな人で、挨拶をするために彼と向き合うと、私の額は彼の腰の位置にしか届かなかった。
私の右手を包む彼の手は厚く、大きく、温かだった。そして、帽子のつばの奥に開かれた目は、茶色の瞳のかわいい目だった。
それから、オッリとの親交がはじまった。
いつでも遊びにおいでという彼の言葉に私は甘えて、その年の冬にも彼を訪ね、そして、次の年の春にも遊びに行った。
冬には一晩中寝ないで燻製小屋の火の番をして、スモークサーモンを作った。
そして、春には厚い氷に覆われた湖に穴を開けて、朝から晩まで1週間釣りをした。
彼と花や木や鳥や雲や空や雨や、いろいろなものを見た。
明日5月24日、彼は旅に出る。
家族や大勢の友人たちに囲まれて。
私はここから彼を見守ろうと思う。
あなたは私の永遠になった。
Kiitos parjon Olli. (たくさんの愛をありがとう。 オッリ)