今月から2週おきに、ご夫婦の所へ歌唱療法でお伺いしています。
今週もモノトーン・ライアーを一緒に連れて行きました。
愛しい幼子を抱きかかえるように、そっと優しく指を動かすことができると、心地よく響きます。
お二人で向かい合って座って頂き、それぞれがライアーを膝の上に置いて会話をするように弾いて頂きました。
お二人が奏でる響きがリズムを生み出し、波のように、谷を渡り響くコダマのように。
「子守唄が鳴っているみたい。」
「気持ちが落ち着いて、なんだか眠くなってきました。」
それぞれのライアーの音は レ(D)と ラ(A)5度のインターバルの音です。5度のインターバルは呼吸のリズムを整えてくれる作用があります。
そして、今回はご主人の思いでの曲 ドイツ民謡の「別れの歌」を歌いました。シュバーベン地方に伝わる歌です。
ご主人はお若い頃ドイツに留学をなさっていました。ドイツ語の歌詞を覚えていらして、奥様と私に教えてくださいました。
林檎畑の近くにお住まいだったこと、大学までは自転車で通っていたこと。ランプの光で勉強したことなど、たくさんの楽しい話を聞かせてくださいました。
一曲の歌が懐かしい思い出を生き生きと呼び覚ましてくれます。楽しそうに話されるお顔は、若き日のお姿を彷彿させるようでした。
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