「そのあなたは、どのようなあなた?」
大事な選択をしなければいけない時や不安な気持ちに囚われている時、私は自分自身に、「そのあなたは、どのようなあなた?」と聞きます。それをする理由は、本来の私に繋がる為にです。
そして、自分の中から出てくる言葉をノートに書いてジャーナリングします。スラスラと言葉が出てくることもありますし、しばらく何も出てこないこともあります。どちらにしても、問いを自分に投げかけたらノートを広げて、ペンを持ったままの状態でしばらくの時間、自分に問いかけ続けます。
そして、ひととおり自分の中から出てくる言葉が止まったなと感じたらペンを置いて読み返してみます。そして、また同じ問いかけをします。
「そのあなたは、どのようなあなた?」
すると、もう全部言葉にして書き尽くしたと思っていても、また自分の中から言葉が出てきます。出てくるというより、湧いてくるという感じです。それは思考優位で書いていた前半とは違って、何かしらの指示や助言という類の言葉が消えて、もっと自分の感覚に繋がった言葉が溢れてきます。
ジャーナリングをすることによって、本来の自分を思い出すことができます。その本来の自分と繋がった感覚を持ちながら、重要なことを決定すると、それがどんな結果になろうとも、人のせいにすることも、環境のせいにすることもなく、そして、その決定を後悔することもなく、自分で責任を担う事ができます。
ジャーナリングの目的は、うまく事が運ぶようにするためにジャーナリングをするのではありません。自分の人生がうまくいくように、そう望んでいるのであれば、それはコントロールです。相手も自分自身をも支配したいとエゴは強く信じていて、それを本来の自分に気が付かれないように隠すために、「うまくいくように」という言葉を巧みに使っているのかもしれません。でも、本来の自分がやりたいことは支配する事ではなく、心を尽くして、精いっぱいやりきることではないでしょうか?
ジャーナリングする時のコツは、思考優位になったままで終わらせないこと。どうしても、最初は頭で考えた言葉が出てきますが、それをわーと出してあげた後に、いったんペンを置いて、自分の身体に意識を向けてあげることです。呼吸を感じたり、座っている感じを味わったり。そうして、書いている時も、自分の身体の感覚がその言葉を書いている時、どんなふうな感覚がしているかを感じて、それも言葉にして書きます。そうすると、頭だけが優位になってしまうことを避けることができます。
私はジャーナリングを習慣にしていて、早朝、まだ家族が寝ている時間をジャーナリングの時間にしています。蝋燭を灯したり、お香を炊いたり、その時の気分で楽しみながら行っています。私を導いてくれているスピリットガイドに協力して欲しい時は、二人分のお茶を淹れて、もちろんカップも2つ、椅子も2つ用意して、お茶会のようなセッティングにする時もあります。
ジャーナリングは自分を整えることも自分が本当に望んでいることにも導いて行ってくれます。自分を知るためには、本当に助けになってくれると思います。そうなってくれるには、やはり継続して書き続けていくことです。書き続けていけば、これは条件付けされたエゴから発せられた言葉だなとか、そういったことが感覚としてわかってくるようになります。
私はこのジャーナリングを愛を込めて指導したいと思っています。ある程度の時期を一緒に伴走させてもらいながら、一生モノの自分の相棒のようなジャーナリングになるように。
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子