先週、髪を切りました。もう20年通い続けている美容院なので、いつも信頼してお任せしています。
それが今回は切り終わって鏡を見たら、思いのほか前髪が短くてびっくりしました。切ってもらっている最中は眼鏡を外しているので、極度の近視の私には途中経過がはっきりと分からないのです。
帰り道に「あー、なんでこんなに短くなっちゃたんだろう?」と後悔しながら歩いていました。
交差点で信号待ちをしていると、すぐ横に自転車が止まって、後ろの荷台に5歳くらいの女の子が座っていました。私と同じような丸いフレームの眼鏡をかけています。その女の子がつぶらな瞳で私をじっと見つめて、にっこり笑いました。まったく屈託のない笑顔で!
そして、青信号に変わると、私に大きく手を振って、走り去って行きました。
彼女の天真爛漫の笑顔が、「何も心配いらないよ、OKだよ!」と言ってくれているように私には感じられて、時間にしたら僅か1分、2分の出来事でしたが、私の気分はすっかり変わりました。
こういう出来事は皆さんにもあると思います。
仕事がうまくいかなかったなと落ち込んだ気持ちで電車を待っていたら、隣に居たご婦人から「あなたの持っているバック素敵ね!」と声を掛けられて電車が来るまでの間、少しお話したり。
駅からの帰り道、急に振り出した雨に打たれながら歩いていると、傘に入れて貰ったり。
見ず知らずの人で、また再びお会いすることもない人から思いもかけない贈り物をもらうようなことがありますよね。
自分を憐れんでいたり、後悔していた気持ちが、あっという間に吹っ飛びます。
私はそんな人たちに出会うと、天が遣わしてくれたと思っています。
その人達の愛が私に注がれる時、私は再び私の内に在る愛に触れることができます。
そして、私が勝手に天からの遣いだと思っているのですが、そういう人達に出会う度に、私は天から愛されているという信頼度が増すのです。
そして、その信頼度が増すと、そういう人たちが現れる頻度も増すなと思っています。
「短い前髪も良いかも!」と、今は気に入っています。
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子