私は自分の手を動かして何かを作るのが大好きです。
料理に始まり、編み物や服を作ることも。
最近では服を作る時間がないので、
もっぱら繕い物をするほうが多くなりましたが、
針と糸でチクチク無心になって手を動かしていると、
頭の中がすっきりしてきます。
頭の中は放って置くと、
様々な考えや思いつきで占領されていて、
それが手を動かして、
目の前のことに集中していると、
何も考えなくなる瞬間がやってくるのが、
好きなのだと思います。
先週は、
ボタニカルアートの講座に参加しました。
菩提樹の葉と蓮の葉に、
アクリル絵の具で着色していきます。
最初は頭を使って、
ボードの上にどんなレイアウトで
葉を配置しようかとか、
どんな色にしようかと考えるのですが、
手を動かしているうちに、
そんな考えをすっと飛び越えてしまう
瞬間があるのです。
手が勝手に動き出してしまう感覚というか。
なので、できあがった作品は、
最初に思い描いていたものとは、
まったく違ったものになりました。
自分で考えていたこと、
思い描いていた事の先に
連れていってくれる力が
芸術にはあると思います。
自分の枠を飛び越える力を
芸術は運んできてくれる。
私は歌を歌っていますが、
その力を歌の時にも感じています。
普段の私、日常の私ではない、
自己を越えた私という存在に
芸術は向き合わせてくれる。
レッスン室の窓辺に、
この作品を飾りました。
どうぞ見に来てくださいね。
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