
2025年11月8日・9日、東京のアトリエ・カンテレで
「声の叡智を開花させるコース」第4回目のクラスを行いました。
このコースは隔月で集まるのですが、
今回のテーマは “地のエレメント” 。
粘土をこねて球体を作り、
母音・子音に宿る地の響きを声と身体で味わい、
そしてジャーナリングを通して、
自分の内側にある “地” を再確認していく時間となりました。
ジャーナリングの最後の問いは、こちらでした。
「日々の生活の中で、地のエレメントと再びつながるために
小さな習慣にしたいことは何ですか?」
私自身もこの問いをジャーナリングしたのですが、
その時ふっと思い出したのが、清少納言の「春はあけぼの」の一文でした。
先月、ちょうど枕草子を読み返す機会があり、
秋の章には “虫の音” が「良きもの」として挙げられていました。
今年の秋は急に寒くなってしまい、
虫の音を聴けた時間が短かったな……と、
少しだけ残念に思い返していたのです。
清少納言が四季のうつろいを「いとおしいもの」として受けとめるまなざし。
その美しさをそのまま味わう静けさ。
――こうしたことこそが、
地としっかりつながりながら生きることなのではないか。
そして、自分の中の “地のエレメント” を
生き生きと働かせていくことなのではないか……と感じました。
少しだけ、枕草子の一節を。
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枕草子 清少納言より
夏は夜。
月の頃はさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
雨など降るも、をかし。
秋は夕暮れ。
夕日のさして、山の端いと近くなりたるに、
烏の、寝所へ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。
まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入りはてて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず。
冬はつとめて。
雪の降りたるは、言ふべきにもあらず。
霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、
火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、
火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。
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自然の情景をこうしてすくい上げるまなざしは、
時代が変わっても、私たちの感性をやさしく整えてくれます。
あなたが「素敵だな」と胸の奥で感じる光景は、どんなものですか?
それは、あなたの内側にある “地のエレメント” が教えてくれる
大切なサインかもしれません。
明日も良い日になりますように。
今日も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。
アトリエ・カンテレ 平井久仁子