今日のタイトル、「私の言葉を信じないでください」
これは、私のフィンランドの歌の学校の恩師が毎回の授業の最後に言っていた言葉です。
前回の記事「意識に光をあてるということ」にも登場した先生です。
https://kantele-voice.com/aboutlife/1106/
先生の講義はとても考え深くて、私は初めて触れる事柄にいつも心が高揚していました。
そんな心が浮き立っている状態を「私の言葉を信じないでください」という先生の言葉が私を冷静にしてくれました。
どんなに自分にとって素晴らしい内容だったとしても、それを全面的に鵜呑みにしないで、自分の頭で考えてくださいと先生は伝えたかったのです。
授業で紹介された文献を自分でも読んでみること、それを読んで自分はどう考えるか、それを自分から行う事に学びがあるのです。
先生から授業で「何か質問はありますか?」と尋ねられた時も、本当に真剣に考えました。
自分でその疑問についてまるで考えずに質問すると、先生からは、「あなたはその疑問についてどのように考えましたか?」と問われるような答えが返ってきます。
フィンランドの学校で学んでいて、とても良いと思ったことは、教える側も学ぶ側も対等な関係でいられたことです。
もちろん生徒は教師を尊敬していますが、人間として対等な関係で学びが行われることは、教師が常に上にいて、生徒はその教えを受ける一方通行的な形にはならず、教師と生徒は、お互いを尊重して自由に意見を言い合える関係でした。
フィンランドでは決して、教師のことを先生とは呼びません。
教師も生徒もお互い名前で呼び合います。
そんな所にも、対等な関係でいられる要因があると思います。
毎年夏に、フィンランドの歌の学校では合唱週間が行われます。
今年は7月30日から1週間の日程で開催されます。
歌の経験がなくても参加できますので、
興味がある方は、ぜひ参加してみてください。
私の恩師も健在ですので、彼に会ってみたい方も考え抜かれた質問を携えて是非ともご参加ください。
とても深遠な答えが返ってくるのは保証致します!
歌の学校のホームページは下記です。
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http://www.laulukoulu.fi/news/
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