2023年4月9日(日)にワークショップ
「聴くこと」を開催します。
私は子どもの時から、
ずーっとコミュニケーションについて
考え続けてきました。
子どもの頃、
大人の会話を聞いていると、
心で感じていることと
口から出ている言葉が違うということにも
気が付いていて、
何故、心と頭を一致させて話すことは
大人にとって難しいのだろうと思っていました。
成長していくにしたがって、
本音と建て前というものが社会で生きていくための
スキルとして必要なのだということを知っていきます。
高校生の頃、心と頭を一致させて話をしたいという思いから、
どうやって言葉を選んでいいか悩んで、
一時「はい」と「いいえ」しか声を発せず、
自分の気持ちを話すことができなくなったことがあります。
20代、30代の私は寡黙でした。
よく母からは、
「女の子なのに、黙っていて、愛想がない」と心配されていました。
私にとって、日本語が通じない外国で暮らした経験が
それまでのコミュニケーションの仕方を
変化させるきっかけを与えてくれました。
英語もドイツ語もフィンランド語も
流暢に話せない私が話す時、
あまり多いとは言えない語彙の中から単語を選んで、
それをシンプルなセンテンスを使って話すことになります。
私の語彙が豊富にあったら、
もっと私の気持ちが伝わるのに
というもどかしさもありましたが、
でも、
自分の本当に思っていることを伝えるという
私の心の声を表現する良い練習になりました。
歌唱療法士としての最後の試験は、
セラピーの実習に協力してくれた患者さんとの
症例を発表するというものでした。
英語で発表する者には、
試験官と一緒に試験を受けている同級生達の為に
ドイツ語の通訳がついたのですが、
私の話す英語はシンプルだから理解できるだろうということで、
通訳なしになりました。
発表が終わった後、
「患者さんとあなたの関係がとてもよく伝わって感動した」と
多くの人達からコメントを頂きました。
でも実は、
私が話していた時、
その場はとても静かで、オープンで、あたたかな空気がありました。
そして、皆が私の話にとてもよく耳を傾けていてくれていることが
伝わってきました。
ですから、話し始めた時の私は緊張して、
用意していた原稿を読むように話していましたが、
その空気に包まれていることに気づいてからは、
原稿も見ることなく話していきました。
私はみんなから見守られて、
安心して話すことができたのです。
単語を間違えたり、
文法が間違っていたり、
でも何とか自分の思いを伝えたいと話している
私の話をフィンランドの学校の先生方や友人達も
やはり同じように耳を傾けて聴いてくれました。
そして理解したいという思いで、
コミュニケーションを紡いでくれました。
ここでも、聴く側のホールドする力に助けられました。
「静か」で、「あたたか」で、「オープン」な力。
私的には、
「静かな耳」、「あたたかな耳」、「オープンな耳」と
言い換えることもできるかなと思っています。
4月9日の「聴くこと」では、
あなたのホールド力、
「静かな耳」、「あたたかな耳」、「オープンな耳」を
活性化させませんか?
そういう耳の持ち主に、自分の話を聴いてもらった人
(ご家族、お子さん、ご友人など)は、
もうそれだけで、ゆったりとくつろげて、
とても満たされます。
外から何かを取り入れるから
満たされるという満たされ方ではなくて、
ただ、ただ聴いてもらえたことで
自分が満たされる感覚を是非、
体験して頂きたいと思います。
メールマガジンで先行して募集を行いまして、
現在は募集を締め切りました。
歌唱療法士 平井久仁子