音楽が苦手だった子供時代
音楽に携わる仕事を現在行っているので、
皆さんからは、小さい頃から音楽の勉強をされていたのですか?とか、歌が上手だったのでしょうと思われるのですが、
実は、私は歌う事も楽器の演奏も苦手でした。
高校生になってからは、音楽の授業を選択しなくてもよくなって、ほっとしたのを覚えています。
そんな私が32歳の時に、
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスという発声法に出会いました。そして、
39歳の時に、
フィンランドのラウルコウル(歌の学校)に入学して
歌を学び始めました。
音楽にも歌にもずっと苦手意識を持ってた私がです!
6歳からピアノを習い始めたのですが、
先生がとても怖い先生で間違えるといつも手を叩かれていました。叩かれるのが怖くて、
きちんと弾かなければと意識すればするほど指が動かなくなって、また叩かれるという悪循環。
いつしかピアノを弾くことが楽しくなくなり、
楽器を弾くこと自体に苦手意識を持つようになりました。
学校の音楽の授業でも、
楽器を弾くことになると指が緊張で震えたり、
合奏では緊張してしまって自分のパートが演奏できず、
次第に音楽の授業についていかれなくなりました。
中学生になると聖歌隊で歌う上級生に憧れて、志願しましたが、
歌がうまくないという理由で、入ることはできませんでした。
それ以来、人前で歌うことを止めてしまいました。
人間の声の秘密を見つけたい
一方、新し物好きの父親のお陰で、
人間の声について興味を持つようになりました。
幼稚園の時に父親が買ってきたテープレコーダーに
家族全員の声を録音して聞いてみました。
その時、自分の声だけ普段聞いている声に聞こえず、
他人が聞いている自分の声と、
自分が聞いている自分の声は違っていることに
気がつきました。
もうそれからは、人の声をよく聞くようになりました。
国語の時間には友達が音読する声を
家の電話が鳴ると真っ先に出て、
相手はどんな人か想像したり、
電車内の車掌さんのアナウンスの声を聞いて、
その声の主がどんな背格好か、そして雰囲気を想像します。
そして、実際にイメージ通りか確かめに行ったりしていました。
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスとの出会い
苦い音楽体験と声に興味を持っていた私が、
32歳の時、アンカヴァーリング・ザ・ヴォイス発声法に
偶然出会いました。
その当時、私は東久留米市にある
シュタイナーこども園で働いていました。
ドイツからアンカヴァーリングザヴォイスの先生が来日されて、
講座を開催することになりました。
私はその講座の受付のお手伝いをすることになったのです。
講座にも参加してみると、
私の音楽に対する想いがあふれてきました。
私は誰からも否定されることなく、
純粋に音楽を楽しみたいと思いました。
幼稚園の頃から興味を持っていた人間の声の秘密と
音楽への憧れがこの発声法によって解明されるのではないかと思い、
学んでみたいと思うようになりました。
もうそれからは、勉強したいという一心で、
留学の為に語学の勉強を始め、
そして学費の貯金を始めました。
32歳で出会ってから5年の月日が流れました。
でも、5年の間一度も学びたいという情熱が
枯れることはなかったのです。
フィンランドに学びに行く前に、
実はドイツで学びを始めていました。
しかし、学び始めた途端に、病気になり、
中断されました。
そして、39歳の時に念願が叶って、
フィンランドでの学びが始まりました。
フィンランドで学んで得たこと
フィンランドのラウルコウル(歌の学校)は
音楽の基礎が無い人でも入学することができます。
そして、
この学校はシュタイナーの思想である
アントロポゾフィーを基盤にした学校です。
音楽大学で声楽の勉強を修了した人、
音楽の教師だった人、正確な音程が取れない人、
自分の声にコンプレックスを持っている人など、
様々な音楽の背景を持った人たちが、
一緒に学ぶことができる学校でした。
私はそこで仲間と共に協力しあい、
切磋琢磨しながら歌を学ぶことによって、
音楽が自己の成長を助けてくれることを
身を持って経験しました。
フィンランドで歌を学ぶ前の私は、
これもできない、あれも無理と
何でも自分の可能性を否定していました。
それが、歌の練習を重ねて、それが声の変化に現れてくると、
無理だと思っていたことが、
できるかもしれないに変わってきました。
そして、チャレンジしてみると、
どんどん、できることが増えていったのです。
一人でフィンランド中を旅したり、
車を運転して、
自分でボンネットを開けてメンテナンスをしたり、
そんな小さなこと?と思われるかもしれませんが、
そんな些細なことが、自信になるんです。
私は自分で自分の可能性を抑えていた事に気が付きました。
そうすると、以前の私はどんどん新しい私に変容していきました。
その経験がセラピーを学びたいという思いに繋がりました。
フィンランドでの歌唱法の基礎の勉強が終わると、
今度はドイツでシンギングセラピーの勉強を
始めることになりました。
ドイツでのシンギンセラピーの学び
ドイツでシンギングセラピーのコースが始まったのは、
私がフィンランドの歌の学校の4生になる前でした。
トーマス・アダム先生が一人で主宰しているので、
4年間のコースが行われている間は、次の募集がありません。
フィンランドの歌の学校を卒業している事が、
シンギンセラピーコースに入学できる条件なのですが、
私は毎年の夏休みを利用して、
ドイツに個人レッスンを受けに行っていたので、
その学びの時間を加味して頂き、
無事に入学できることになりました。
25名の仲間と4年間の学びが始まりました。
ドイツ人、スイス人が半数以上でしたが、
私のようにドイツ語が堪能ではない学生が他に7名いました。
オーストラリア、イギリス、イスラエル、フランス、ノルウェー。
年齢も30代から60代までと様々、
国も様々な生徒たちです。
私のように学生だけやっています。という人は少なくて、
医師、音楽療法士、教師、治療教育家、音楽家、
マッサージ師など、プロの職業の方が大勢いました。
だからセラピーの授業の他の時間も
昼休みや、夜寝る前の時間には、
其々の視点からの話も聞くことができて、
とても興味深い4年間でした。
コースが行われる場所は、
ボッホムにあるシュタイナー学校の校舎を借りていました。
みんな寝袋持参で、教室にマットレスを置いて、
雑魚寝状態です。
でも、その時間も楽しかったです。
フィンランドとドイツで学んできた事、
それを日本で私は伝えていきたい。
そして、一人でも多くの人に、
役立ててもらいたいと願っています。
音楽が苦手だった子供時代。
でも音楽への憧れは人一倍ありました。
私は自分の音楽をしたくても
出来ない状況にある人の為にも
役にたちたいと思っています。
すべての人に歌声がある。
その人らしい歌声があります。
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスとの出会いから
フィンランドで学ぶようになるまでの記事は
こちらでお読み頂けます。
『歌を通して心と体を整える声の専門家』
シンギングセラピスト(歌唱療法士)平井久仁子
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