父の様態が悪くなって、入院していた頃、
家族のみんなは言葉には出さなかったけれど、
父を失ってしまう不安や悲しみを抱えていました。
ですから、家の中の空気も重いものでした。
ある日、病院からの帰り道に、
公園に咲いている花の美しさに気が付きました。
毎日のようにこの場所を通っているのに、
まったくその花の存在に気が付いていなかったのです。
それくらい私の心は、
不安や心配に囚われていたのだと思います。
その日はお花屋さんに寄って、
小さな花束を買って帰りました。
そして、家の食卓の上に花を飾りました。
それから、毎日、花を飾るようにしました。
大切な人を失ってしまうかもしれないという
悲しみの時にでも、
花を美しいと思える自分がいることを私は喜びました。
そして、家族で一緒にご飯を食べられることが
嬉しいことであることをしみじみと感じました。
ネガティブの中にもポジティブなものが在ること。
これに気が付けるようになると、
ネガティブかポジティブかの両極に
偏ることがなくなっていきます。
体の感覚も然りです。
体の感覚に意識を向ける時、
痛みがある場所、
不快な場所に意識が向きます。
でも、よく観察すると、
心地よいと感じる場所もあるはずなのです。
でも痛みのある方の側が主張が大きいので、
繊細な感覚の心地よい方の側が負けてしますのです。
セッションでは、
不快な場所と心地よい場所にフォーカスをして、
その場所を同時に感じ続けるという練習をします。
やってみると分かるのですが、
これはなかなか難しいです。
これはただひたすらに練習していくしかないです。
でも、練習の成果が思わぬところで
発揮されます。
それが頭で分かっているだけと、
体感を伴ってやってみた「分かる」の違いです。
『歌を通して心と体を整える声の専門家』
シンギングセラピスト(歌唱療法士)平井久仁子
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