私は20代のころから夢を記録しています。
もう30年にもなるのだなと思います。
寝る時には必ずノートとペンを枕もとに置いて眠ります。
夢は自分の無意識の領域と繋がっていて、
日々の生活で取り組んだらいいこと、
チャレンジしたらいいことをシンボルや
象徴を使って教えてくれたりします。
ずっと考えていることを
夢の中で整理してくれたり、
答えのようなものを与えてくれたりします。
また、何カ月後かに、
夢で見たことが実際に起こることもあって、
私は時々これから半年後、
又は1年後にお会いするクライアントさんに
まず夢でお会いするという体験があります。
記録をしているからこそ、
繰り返し出てくる場所や
モチーフに気が付くことが出来て、
その時点では分からなかったことも
少し経ってから夢の記録を見返すことで
自分にとっての意味が理解できます。
なので、私は夢辞典は
参考にしていません。
ある晩、私は月の周りを飛んでいる夢を見ました。
次の日の朝、メールをチェックしていると
友人からメールが届いて、
「昨日、君が宇宙を飛んでいる夢を見た」と
書いてありました。
同じ晩に、彼も同じ夢を見ていたなんて、
不思議なことがあるなと思いましたが、
ユングのいう「集合的無意識」とは、
きっとこういうことを言うのだと
実感した出来事でした。
このように、私は夢との繋がりを
とても強く感じているので、
この親和性をもっと探求したいという思いから
ここ数年は、毎月、ユング派の精神分析・夢分析を受けています。
セッションでは、
夢に繰り返し現れるモチーフから連想する出来事について
話をするのですが、
古い記憶の中や現在起きている出来事の中に無秩序に
点在しているパズルのピースが収まるべき場所に
収まっていく感じがします。
無意識の領域に分け入っていくことは、
やはり私ひとりでは限界があります。
プロフェッショナルな助けがあるからこそ、
自分では知ることができない無意識の世界に
光があたり、安心して入っていくことができます。
ユング派の精神分析が何を行っているのか
そして、それがどのように私に作用しているのか
分析を始めた頃は良くわからないなーと思っていました。
でも、同じ分析家とセッションを重ねて
関係性を築いていくことで段々と分かる事があります。
無意識の領域は膨大です。
ですから簡単に終わる事はありません。
ひとつ揺らいで溶けていくと、
その下にあるものが顔を出して、
それが溶けていくと、
またその下のものが顔を出すといった具合です。
すぐに変われるなんてことは、
まったく根拠のないことで、
時間をかけながら変化して、
統合していくことを実感します。
そして、
療法士として仕事をしている私自身のメンタルを
定期的にケアーしておくことはクライアントさんに対する
療法士としての役目だと思っています。
夢は本当に探究すると面白いと思います。
夢の記録をやってみようと思ったら、
ぜひ、始めてみてください。
最初から毎日記録しようと頑張らないことです。
そうしようとすると、挫折するからです。
覚えている夢を記録すればいいです。
また、習慣にすると、目が覚めた時に覚えていなくても、
歯を磨いている時とか、着替えをしている最中に
ふと夢の一場面を思い出して、
そこからするすると思い出すことがあります。
そして、もし覚えていなくても、
必要な夢は必ずまた見ることができます。
無意識が伝えたがっていることだからです。
だからそんなことは気にせずに、
楽しんでください!
歌唱療法士 平井久仁子