この間、フェイスブックでアトリエ・カンテレにお越し頂いている方のご感想を投稿させて頂いたのですが、そのなかに、歌う瞑想みたいです。という感想がありまして、それについて、いくつかコメントを頂きました。
歌っている時には、目を開いていますか?というご質問を頂き、目は必ず開けていることが重要です。とお答えしました。
そのやりとりを生徒さんが見ていてくださり、今日レッスンにお越しになった時に、ご質問くださいました。
どうして、歌っている時には目を開けていることが重要なんですか?と。
そのご質問にお答えしようと思います。
音楽という芸術は、時間の流れがあります。それを示しているのが、小節の中に示された音符や休符です。始まりから、終わりまでそれが幾つも繋がり、音楽が奏でられていきます。
絶対に変わることがない、不動のルールとも言えます。きちっと決められた設計図のような。
最近はパソコンで楽譜を読み取るソフトがありますが、それで再生された音を聞くと、機械的な音の羅列にしか聞こえず、全くと言っていいほど、音楽とは言えません。
人間が奏でる音楽には、音の強弱や、短、長や、ニュアンスが加わって、魂を揺さぶるような音楽が生まれます。
上記に例を上げましたが、音楽には少なくても2つの要素があります。
1.不動のルール、決められた設計図の要素。
2.魂を感動させる、夢のような意識。
人間で例えたら、
1.は、とても頭脳明晰で冷静、知的、合理的な人。
2.は、ファンタジー力いっぱい、ドラマチックな人。
この2つの要素を同時にバランスよく行うのが音楽なのです。
1.にばかり偏り過ぎていたら、音符には正確なだけの無機質な音楽になってしまいますし、2.にばかり偏りすぎていたら、複数の人で合唱、合奏は成り立ちません。
1.と 2.がバランスよく現れるように、第3の自分がいて、その第3の自分は二頭だての馬車を(この場合は、1.と2.)あやつり走らせる御者のような存在です。
その為には、しっかりと目を開けておくことが必要なのです。
目は自我の象徴でもあります。
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイズのレッスンの時には、生徒さんがより声を出しやすいように、イメージをお伝えしています。
自然現象のイメージが多いのですが、その方の声の響きを聞かせて頂いて、そこから聞き取れるものにより身近なイメージしやすい物をお伝えするようにしています。
中には目を閉じているほうが、イメージを想像しやすいという方もおられます。でも、その時も、目を開けて歌うようにお願いしています。
それも上記の理由からなのです。