「私の声は小さいので、合唱で歌う時は、もっと大きな声を出してと言われてしまう。」
「一生懸命大きな声になるように頑張っているけれど、喉のコンディションは最悪。」
「こんな小さな声では、だれからも認めてもらえない。」
小さな声の持ち主は、こんな悩みを持っていませんか?
でも、小さな声を豊かな響きの声に変化させる方法はありますので、どうぞ安心してくださいね。
シンギングセラピスト(歌唱療法士)平井久仁子です。
先日、我が家の庭で、キボウシの花が咲きました。
11月に咲いたのは、初めてです。
毎年6月から8月にかけて咲きます。
10月の中旬ごろに、茶色に変色した葉を抜いてあげながら、
もうすぐキボウシも冬支度ねと思っていました。
そうしたら、また新しい葉っぱが出てきて、茎がグーンと伸びたと思ったら、薄い紫ピンクの花の蕾が付きました。
もうそろそろ咲きそうです。
キボウシを見ていて思ったのです。
お花は、光と水分と、養分、地中の温度、外の温度など、条件が揃えば花を咲かせるのだということ。
季節外れであったとしても、条件が揃えば咲くのです。
人間のように、今咲いたら季節外れだよとか、
咲いたとしても朝晩はまだ寒いから咲くのは止めておこうとか、
一切そんなことは考えないで、咲く時は咲いてしまうのです。
ちなみに、同じキボウシでも北側に植わっているキボウシは、まったく咲くそぶりを見せていません。
植物は本当に自然そのものだなと思います。
後の事も、先の事も、そんなことにはお構いなく、咲く時には自然に咲くのです。
小さな声で悩んでいる方が、このキボウシの姿に重なりました。
小さな声の主は、合唱団の指導者から、もっと大きな声を出してと要求されます。
そんな小さい声では聞こえないから、もっと、もっと!大きな声を出してと要求されます。
小さな声の持ち主は、指導者に答えなきゃという思いから、大きな声を出そうと一生懸命、声を振り絞って頑張ります。
力の限り大きな声を出そうとして、頑張ります。
喉にも、肩にも、お腹にも、力を入れて、叫ぶように歌います。
その結果、喉はがらがらと痛みます。
こんな無理な歌い方をしていたら、声帯は悲鳴をあげて、いつか問題が生じてしまうでしょう。
本人もわかっているけれど、でもどうしたら響きの豊かな声になるかわからない。
(大きな声ではなく、響きが豊かな声に注意して! 大きな声と響きが豊かな声では音色が全く違います。)
それに、ボリュームのある声とか、声量がある声とか言われることが、美しい声の一要素であるように思われていますが、果たして、それは本当なのでしょうか?
そうしたら、小鳥の声はどうしてあんなに響くのでしょう?
小鳥はとっても小さいのに。
赤ちゃんの笑い声も、泣く声も、驚くほど響き、通りますよね?
赤ちゃんはとっても柔らかいのに。
大きな声が世間では求められていて、良しとされているから、頑張る。
それをやめてみませんか?
無理をして頑張ってしまって、あなたが本来持っている、シルバーの光のように輝く、繊細な響きを誰にも聞かれないまま、大きな声にすることによって失われてしまうなんて、なんてもったいないのでしょう。
キボウシが咲くように、あなたにはあなたの良さがあります。
そして、咲ける条件が揃えば、自然と咲きます。
キボウシが育つ条件のように、自分の声の響きが豊かになるように、その条件を整えてあげるのです。
それは、無理に大きな声を振り絞って出すのではなく。
舌を柔軟にしたり、
顎を緩めたり、
お腹の筋肉を柔らかく動くようにしたり、
歌っている時の意識をイキイキとさせたり、
自分が立っている全方向の空間を認識したり、
母音の響き、子音の響きの追求、
もう練習することはたくさんあります!
でも、それを楽しく、根気強く、たんたんとやり続けたら、
必ずあなた本来の声の響きとなって表れます。
私も経験者なので、痛いほどにわかります。
私の声も最初は小さくて、よくドイツに行くと、もっと大きな声をだして!
と責められていました。
フィンランドのラウルコウル(歌の学校)では、先生が辛抱強く、私の声の成長を見守ってくれていたので、もっと大きな声を出してと言われたことはありませんでした。
「ドイツに行くと大きな声を出してとプレッシャーを与えられる」と、ラウルコウルの先生に愚痴を言っていました。
(今から思うと、なんて生徒なんでしょう!)
でもメリア先生は、いつも笑って、
「大丈夫。あせらないで。必ずその時は来るから」って言ってました。
先生にそう言われるたびに、(どれだけ愚痴ったのでしょう。穴を掘って埋めたいくらいです)
段々と自分でも兆しが感じられるようになってきました。
何処へ向かえば良いのか、暗闇の中では途方にくれて不安ばかりですが、未来を照らす明かりが見えれば、そこへ進めばいいだけです。
メリア先生がいつも辛抱強く私を励ましてくれていたことに、感謝、感謝なのです。
だから、
無理やりに世間の良しとする声に合わせなくても、
シルバーに輝く繊細な響きを黄金の光輝く豊な響きに育てることはできます。
そして、このプロセスこそが大事なのです。
響きの楽器として自分の体を作るプロセスが、人間としての成長にも即してくれるのです。
どうにも進めない問題に直面したら、時には手放し、
時には自暴自棄にならず、諦めないで努力を重ねてみる。
それって、人生に起こる様々な問題に対処する時と同じですよね。
課題を一つ一つ越えて、自分の声が変わってくることを実感できたら、自分を受容できるようになって、自信にもなります。
私も誠心誠意サポートさせて頂きます。
世間から求められている声ではなく、
自分本来の声で歌いたいと思っている方の参加をお待ちしています。
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスの響きを体験しに来てください。
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