上の写真は我が家で育てている珈琲の木です。
昨年、7年目にしてやっと花と実を付けた我が家の珈琲の木ですが、今年はたくさんの花が咲きました。昨年の珈琲豆の収穫はわずか6粒でしたが、今年は3倍以上の収穫になりそうです。
でも、一杯の珈琲を味わうまでには、まだまだ時間がかかりそうです。気を長く持って待ちたいと思います。
私は声の成長と普段の生活で感じることをいつも結び付けてしまうのですが、我が家の珈琲の木の物語と声の成長の物語もまったく同じだなと思います。
3センチ位の苗から育てた珈琲の木ですが、毎年鉢を一回り大きくしていって、今では130㎝位に成長しました。
冬の間は室内に入れて、春から秋までは外に出してあげていました。でも、5年経っても、6年経っても花芽を付けません。
ある日、街を歩いていた時、「雨が降ったあと、珈琲の花が咲いた」というポスターの文章を見て、これだ!と閃いたんです。それまで、私は珈琲の木の水やりに水道の水をあげていて、一度も自然の雨に当ててあげた事がなかったんです。
それで4月の温かい日に外に出して、何回か雨に当ててあげました。そうしたら花芽が付いて、花が咲いたのです!自然の雨の恩恵を受け取って、珈琲の木のDNAにスイッチが入ったように思いました。
前回のメールマガジンでは、いつまでも自分の安心圏内で声を出していては声は拡がっていかないという記事をお送りしました。
「自分の限界を開くと声は拡がる」
珈琲の木は、いつもの慣れ親しんだ環境から違った環境に移って、ストレスを感じながらもその環境に順応して、花を咲かせ、実を付けるという新たな変容を成し遂げました。
声の響きが育っていくプロセスもまさに同じです。
幾重にも覆い被さった覆いに、一枚、また一枚と気づいていく。そして、それが取り払われていきます。すると、響きの核のような存在が現れて、そこに響きが集まって満たされていきます。
ところで、私の安全圏内から飛び出した声はいったいどのような響きだったのか?という所で、前回の記事は終わっていました。
結論から言うと、新しく生まれた声は、本能のままに叫んでいる野獣のような声にしか私には聞こえませんでした。先生、先輩、同級生達も「やったね。おめでとう!」と言ってくれているのに、私は少しも喜べなかったのです。
どうしてだと思いますか?長くなりそうなので、また次回にお話ししたいと思います。
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子