シンギングセラピスト(歌唱療法士)平井久仁子です。
アンカヴァーリング・ザ・ヴォイス歌唱法を
作ったヴェルベックは、
発声器官の器質的な損傷によって、
本来の声が現れ出なくなってしまうことはあるとしても、
人間の声そのものは決して病まず、
何ものからも侵されることはないと
考えていました。
私にそのことを真理として、
体験させてくれた患者さんからの感想を
ご紹介致します。
《ひびく魔法》
好きな食べ物は人にすすめたくなる。
受ける度に誰かに話をして、
とっても良かったから
君もやろうよと誘いたくなってしまう。
私にとって大好きな
カレーライスのような存在である。
毎日食べてもあきない、
スパイスひとつで、
肉も野菜もとりまぜておいしいご飯にしてくれる。
私にとって平井さんの印象も
シチュー鍋をときどきかき混ぜている
魔法使いのお母さんである。
歌唱療法に限らず
たくさんの生きた知恵をその身に貯え、
必要に応じて、
言葉や思いやりとしてさらっと伝えてくれる。
決して押しつけではなく、
こちらがもっと食べたいと言うのを待ちつつ、
上手に導いてもくれる。
対話療法といっても良いような気がする。
私はいつも居心地が良くて、
時の経つのも忘れてしまう。
教わったことを忘れるのは、
私の忘却力のせいなのでごめんなさい。
気持ちが良かったイメージや、
やり方を思い出そうとして出てこないことの方が
多い身体になってしまったのではないかと思う。
思い出せる限りで
私をとりこにしてしまった
いくつかの気づきを上げて見よう。
G、N、P、などいくつかの音を出した後、
操り人形のように顎の力を抜いて
口をパカッと開ける。
そうすると無理に吸わなくても空気が入ってくる。
息をしようと焦っている時に
力を抜くだけで楽になる。
そしてこの力を抜く気分が感じられると
オイリュトミーも変わる気がする。
Iをオイリュトミー(*)で動く時、
胸がつっぱらないでできる感じがした。
(*)オイリュトミーとは、人智学で行われている身体表現の事です。
プルプルと唇をふるわせながら
ド、レ、ミ、と音を出す練習では、
どうしても音を聴かないと音程が取れなかった。
音を出す前にイメージすることを教わり、
色々試していたら自分の身体は
低い音は足とかおなかで出していたり、
中音域は胸が出しやすかったり、
高い音は頭の方が出し易いことに気付いた。
また自分で作ると音が狂い易いが、
音が音になる前にイメージするように示され、
音が生まれる前の静寂を大事にするようになった。
オイリュトミー練習も変わり、
言葉に向かう前の心の在り方や
自分のやりたいことをクリアにするように変わってきた。
最近のライアー(*)を使った療法では、
小さな小さな音色の違いが
次々とイメージを紡いだり、
音のじゅずつなぎ遊びなど
夢中になっているうちに優しさに包まれている。
(*)ライアーは膝の上に乗せて奏でる弦楽器です。
繊細な感覚が生まれていて、
それが残っているうちにオイリュトミーの所作をやってみると
全く力を抜いて動けるようになっています。
またライアーの響きからは、
別の機会に歩行練習をしていて
息が苦しくなってきた時に、
ふっと音色が浮かんだら、
その美しさにひっぱられて
呼吸パニックから抜け出せたこともある。
平井さんに学んでいて、
とても力強く感じているのが、
小さな子にも魔法をかけるように、
とても良いお手本を出してくれることである。
百閒は一見にしかずとは言いますが、
1回でも良いから、良い響きの音を聴かなければ、
千回見ても聞いても分からないと思う。
身に入って来ないと思う。
その他、
腰痛の対策としてベッドサイドでも可能な体操や、
もろもろのアントロポゾフィーに関する話題、
美味しい物の話、芸術的な体験話、、、
おもしろい話も魅力です。
山ほどのありがとうをおくります。
以上。
呼吸器の疾患など、
歌うには、ベストなコンディションでない場合でも、
シンギングセラピーは行うことができます。
歌を今まで歌った事が無い方でも、
音楽的な知識や経験がない方でも受けて頂くことができます。
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