今日は復活祭です。東京は一気に気温もあがり、厚い上着を脱いで、身軽さを楽しめる日になりました。
フィンランドでも毎年イースターの時期になると、太陽の輝きが一段と増してきます。暗く、冷たい冬がやっと終わりを迎えて、段々と光が増していく季節に変わります。まるでそれを祝福しているかのように、鳥たちも一斉にさえずり始めるのです。
人々は太陽の光を出来るだけ多く享受したい欲求に駆られて、屋外で過ごす時間が多くなります。家庭での食事も家の中のテーブルから、外のテラスに移ります。学校の授業も教室を飛び出して、校庭の芝生の上で行ったりします。
人間にとっての太陽を象徴するのは、心臓です。心臓は体の中心にあり、血液を体全体に循環させている器官です。とても重要な働きを担っています。そして、私たちの自我は血液の中に流れています。
冬の間、葉を落として、外側からは死んでしまったように見える樹木も地中の根や幹の内部では、栄養を蓄えています。そして、太陽の活動が活発になり、気温が上がってくると新芽を膨らませ、花を咲かせ、生き返ったように見えます。
人間も植物と同じです。
冬の間、内省して自己を見つめていた人間は、自我=太陽を内に秘めていますが、外側にある太陽の光が輝くようになると、こんどは自己が外部に拡充していきます。それは、まさに、不要になった物を脱ぎ捨てて、新しい姿に変容する蝶の様です。
あなたのいらなくなった物は何ですか?
そして、どのように変容しますか?
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子