春の気候は暖かくなったと思ったら、
急に気温が下がって冷たい雨が降ったりと
安定しないですね。
ちょうど7年前に神戸にある珈琲博物館に行った際に、
ショップに8㎝ほどの珈琲の木の苗木がありました。
直径5㎝程の小さな植木鉢に、なんともかわいい苗が植わっていて、本当にこれはちゃんと育つのかしら?と思って、
植木鉢の底を見てみると、鉢の真ん中の穴からひょろっとした根が跳び出していたんです。
それを見たら、一刻も早く大きな鉢に植え替えて
息をさせてあげなくてはという気持ちになりました。
それで我が家に連れ帰ってきました。
毎年ひと回り大きな鉢に植え替えをして、
今では130㎝ほどの背丈に成長しました。
珈琲の木は花が咲くまでとても時間がかかると聞いていましたが、
7年経った今でもまだ花を咲かせていないのです。
初夏になると外に出して、その他の季節は家の中にいるのですが、
花を咲かせる為には、自然に降る雨に当ててあげることが
必要なのかもしれないなと思い立ち、
去年からそれをしてあげています。
それまでは、花の咲く時期も雨には当てずに、
じょうろで水やりをしていただけでした。
今年は24日の日に温かな雨が降ったので、その日、雨にあててあげました。
翌日も雨だったのですが、気温が上がらず寒かったので、家の中へまた入れてあげました。
今日の朝、珈琲の木を見てみると、
なんだか花芽のようなものが見られます。
ジャスミンのような芳香を放つ、
白くて可憐な花を今年は見られるかもしれません。
植物は自分自身で移動できませんし、
話せないので、毎日注意深く接しているのですが、
過保護もほどほどにしないとなぁと思う出来事でした。
療法士としてクライアントさんに接していると、
クライアントさんが自分の為に有益なことを
無意識にされている場合があります。
その行いが自己治療の為になっていることがあるんです。
それは、不思議なもので、この問題を解決するために、
これをやるというような頭で考えたことではなくて、
一見なんの関連性もなくやり始めたことが、
結果的には解決に役立つということがあります。
だからもし、お子さんが急にこれをやりたい!と言った時に、
まだ早いとか、まだ無理と思っても、
これをやりたいと思った衝動がどこから来ているのかを
ちょっと立ち止まって見てあげてください。
そして、大人のあなた自身も
これをやってみたいという思いが湧き上がった時に、
もう年だからとか、時間が無いからという
湧き上がった思いを打ち消すような思いが浮かんで来ても、
やりたいと思った衝動がどこから来ているのかを
見てあげてください。
私が珈琲の木にしたように、
先回りして過保護になってしまわないように。
自分の魂を輝かせてください。
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子