先週末、2019年3月30日は岡山で歌唱療法体験講座がありました。東京の桜は満開に近かったのですが、岡山の桜はまだ開いたばかりでした。
お城の側に旭川という大きな川が流れていて、堤が桜の並木になっています。
講座が始まる前に散歩をしました。これから講座に集う人たちと共に、より最善な内容になるように、そんなことを思いながら歩いていました。
メールマガジンをお読み頂いている方達ともお会いすることができて、嬉しかったです。
やはり、リアルでお会いでき、一緒に歌えることは、私の大きな喜びであります!
皆さん、遠方より参加くださりました。ありがとうございましたー!
この講座を主催してくれたのは、林百香さんと云います。
彼女は私のフィンランドの歌の学校(ラウルコウル)の先輩です。フィンランドに居た時には、同じ家をシェアして住んでいました。
彼女は、岡山、広島、京都、香川で、アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスのレッスンを行っています。
彼女は歌唱療法士ではないので、普段彼女と一緒にレッスンをしている方たちに、歌唱療法の体験してもらいたいという思いがあって、講座をすることになりました。
歌唱療法のエクササイズは、アンカヴァーリング・ザ・ヴォイス歌唱法の基礎的なエクササイズを発展させて構築されたものです。
ですから、林さんとレッスンをされている方たちにとっては、慣れ親しんだエクササイズがどのように変化していったか、そして、歌唱におけるエクササイズとの共通点や、療法としてのエクササイズの違いなどを実感して頂けたと思います。
講座内では、エクササイズを行った度に、皆さんがどのような事を感じられたのかをシェアしてもらっています。
端から一人ずつ発言させるというような義務からの発言ではなくて、感じたことを自然に、自由に発言できる場にすることを私は大切にしています。
他の人の発言を聞いて、私も同じようなことを感じたから、それを伝えたいという気持ちが発言になったり、または、私は違う感覚がしたけれど、そのことを話してみようかなともなります。
人と違う感覚がしたことは、まったく悪い事でも、間違ったことでもない事を私は講座の時に伝えています。
一人、ひとり、人間は違いますし、その同じ人であっても、今の感覚と、数時間後の感覚でも違う場合があります。
ですので、いつも自分の感覚に素直になっていて欲しいなと思います。
「あー、私は今、こんなことを感じているんだ」とか、
「私は今、こんな気持ちがしている」といった事に意識を向けてあげること。
※日常の生活において意識を向ける事については、過去にこんな記事を書いています。参考にしてみてください。
日常の生活の中で、自分で自分の気持ちや感覚に気づくこと、ともすれば、それすら疎かになってしまいますが、それを言葉にして、他の人に聞いてもらう場は、そうないと思います。
だから私は、講座では同じ空間で、一緒に声を出して歌っている人達と何を感じているのかを自由に、自然に発言できる場にすることを心がけています。
一人、ひとりの発言がとても意味があることで、刺激にもなり、驚きでもあり、共感でもあり、同じ空間に集う人たちをより人間的に結び付けてくれます。
そして、グループで歌う場合、段々と皆さんの声が調和してきて、響きが格段によくなります!
自分が心の中で何を感じているかを世界に向かって表現することは、少し怖いことかもしれないし、多数決の今、全体性が尊重されているので、自分が感じたことを感じたままに話していいか躊躇するかもしれません。
でも個人として感じたことを大切にして、それを集団の中で素直に表現することができると、一人、ひとりの個が際立ってきます。そして、その結果として、集団としての構造も変わってくるのです。
グループとしての声の響きが変わり、良くなってくるのもこんな理由からだと私は考えています。
初めからグループとしての声を成り立たせることを重きに置いた場合では、こうはなりません。
共通の声の響きを作ろうとしてしまって、個人の特有の響きは引っ込めてしまうことになるでしょう。
みんなで歌う時に私が大切にしていることは、こんな理由があるのです。
自分が感じている事を何でもいいからアウトプットしてみる。
上手く言葉にならなくても構いません。
そうやって自分本来の声を見つけていくのだと思います。
教師から、「あなたの本来の声はこうよ」と言われたとしても、それに納得はいかないでしょう?
自分本来の声は、自分の内側から、自分の力で見つけていくものです。決して、他人から決めつけられるものではない事を忘れないでくださいね!
私はその「自分の力」を育むお手伝いを担いたいと思います!
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