楽器の伴奏なしで、声のみでメロディーを歌っていると、正確な音程が取れない。歌い終わってピアノで音を確認してみたら、本来の音と違っていて、半音も下がっていた。そんな悩みを解決する練習の方法をお伝えします。
メロディーのみを覚えるだけが練習ではない
だれもが一番最初にすることは、どのようにメロディーは進行していくのだろうか?という好奇心と共に、メロディーを確認します。そして、何回も繰り返し練習して覚えます。大概の人は、そのメロディーを覚えた所で練習を終わりにしてしまいます。しかし、正確な音程が取れないで困っている人は、次の練習に進んでみてください。
伴奏の楽譜の低音部を聞きながら歌う練習
メロディーを覚えたら、次の練習はピアノ伴奏の曲であれば、一番下のパート、ヘ音記号のパートの音をピアノで弾きながらメロディーを歌う練習をします。全部の音符を弾くのが難しい場合は、小節の中から一音選んで弾いても構いません。コードが書き込まれている楽譜の場合は、そのコードを鳴らしながら歌ってみましょう。ピアノに限らず、他の楽器でも同様です。ベースの音を聞くのと同時に、メロディーを歌う練習をすることによって、段々とベースの音とメロディーの位置関係が耳で覚えられるようになってきます。ここは狭くて暗い感じ、だけどここからは、明るくて飛び出す感じなんだ。というふうに、曲のニュアンスだったり、イメージが自分の中にしっかりと定着してきます。
この感覚は、メロディーだけをただひたすら歌っている時には味わうことができない感覚です。ベースの音の進行を同時に聞くことによって、メロディーの音が高くなったり、低くなったりを繰り返しながら進んでいくのを聞き分ける土台ができます。ベースの音が家の基礎部分になってくれて、その基礎がしっかりしてくれているお陰で、自由にメロディーの家を建てることができるといった感覚です。
メロディーだけを歌っている時は、音楽が横方向に進行するだけですが、ベースの音を聞きながら歌う事ができるようになると、縦に並ぶ音の響きを聞くことができるようになります。それはメロディーだけの平坦な響きから、立体的な響きに変わります。
ここまでの練習で、耳は鍛えられますから、楽器の伴奏なしで声だけで歌った場合でも、音程がぎこちなく、ふらふらすることも無くなり、安定してきます。
合唱にも応用しよう
楽器伴奏の時だけではなく、この練習は合唱の時にも応用できます。一人で行う練習の時に、自分の歌うパートだけの練習にしないで、他のパートもメロディーの進行を覚えます。そして、自分がソプラノであれば、アルトのパートをピアノで弾きながらソプラノパートを歌う練習をします。バスのパートを弾きながら歌う練習もします。
そして、もう一段階進んだ練習は、自分の歌う以外のパートのそれぞれの音を小節ずつに、コードのように一緒に弾きながら歌うというものです。(アルト、テナー、バスのそれぞれの音を一緒に弾いて、メロディーを進行させます。)この練習も自分のパートとその他のパートとの関係性(ハーモニー)が理解できるようになります。実際の合同での練習の時に、他のパートの声がよく聞こえるようになります。もう自分がどこに居るか分からなくなることがなくなりますよ。
日々の練習にどうぞ取り入れてみてください。
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