私が提供している全てのセッションにおいて、
共通して大切にしていることがあります。
それは、自分の声を「よく聴く」ということです。
Uncovering the Voiceの生みの親であるヴェルベック氏も
このことを大切にしていました。
彼女は、「よく聴く」とは、
あたかも他者が歌っている歌声を聴くように、
自分の声を聴くことだと言っています。
主観的に聴くのではなく、
客観的に聴くことであるとも言っています。
そうやって聴くことができる耳が育つと、
主観的に聴いていた時には現れ出ていなかった声の響きが
向こうから開示されて聴こえるようになると言っています。
自分から発せられる声ですが、
その声に耳を開いて聴く事によって、
現れる声の響きが違うものになるということです。
ですから、
どのように耳を開いて、
どのように自分の声を聴くかということに
重点を置いてレッスンをしています。
去年の5月から始まった
第1期の覆いが取り払われた声の学校のコースでも、
ずっとこの「聴くこと」を行ってきました。
先月のオンラインでのグループレッスンの時、
歌い終わった時に全員が深い静けさに包まれていました。
自分たちの声はもう鳴り止んでいるけれども、
空間にはまだ響きの余韻が鳴り響いていて、
それを聴いている。
まさにそうだったのです。
その響きが鳴り止むまで、
私たち全員が静かに沈黙して
それを聴いていました。
オンラインで、
しかも全員が音声をミュートにしているのに、
そういう瞬間を共有できるのです。
前回のクラスでは、
他者の話をどのように聴くか
という練習をしました。
これは話をする側もとても幸せな時間になりました。
普段、自分の話に全集中で耳を傾けて
聴いてもらう経験が少ないからです。
そして、聴く側も、自分の声をどのように聴くかの
大きなヒントになったと思います。
他者の話にどのように耳を傾けるかについては、
4月9日に講座を開きます。
メールマガジンで募集をはじめて、すぐに満席となりましたので、また開催します。
詳細がきまりましたら、メールマガジンでお知らせを致します。
興味があるかたは、是非メールマガジンにご登録ください。
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子