今朝新聞を取りに外に出ると、
風が冷たくて、急いで家の中へ戻ったのですが、
SNSに流れてくる友達の写真を見ていると、
雪が降った地域もあったのですね。
そんな少し寒い日の今日は
「聴くこと」講座の日でした。
この講座は、お申し込みを頂いたときから
もうすでに講座が始まっていて、
当日までの1か月間、
普段、他者の話を自分はどのように聴いているか
について、意識の光を当てて観察して頂いていました。
講座はそのシェアーから始まったのですが、
皆さんのシェアーをお聞きしながら、
私も同じような聴き方をしているなと感じたり、
新たな聴き方の視点を頂いたりしました。
それから、まず、自分の声を主観的に聴くのではなく、
客観的に聴いてみる練習を行いました。
自分の声を聞いている時、自分はどのようであったかという体験を
またシェアーして頂いたのですが、
これは一人ひとり、全て違っていて、
その人特有のこういう感じというものがありました。
それがとても美しいのです。
その美しさ、そして、特有さをそのまま大事にしてもらって、
次は、他者の話に耳を傾けました。
他者の話を聴くとき、私たちの頭だけで話を聞くのではなく、
頭と心、そして、身体の感覚を伴って聴くこと。
それを今日は体験して頂けたと思います。
そうやって聴いてくれる人が居る時、
話者はとても大きな力を貰います。
そして、お互いにとって、
思いがけない贈り物をもらったような気持ちになります。
この講座は続けていきたいなと思います。
講座でも紹介した
茨木のり子さんの詩を
ここにもご紹介致します。
「聴く力」 茨木のり子
ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない
風の音に驚いたり
鳥の声に惚けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり
小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀を救い
きれいな娘の病気まで直した民話
「聴耳頭巾」をもっていた うからやから
その末裔は我がごとのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか
だが
どうして言葉たり得よう
他のものをじっと
受けとめる力がなければ
アントロポゾフィー歌唱療法士 平井久仁子